我がオーディオ装置はオーデイオ・マニアが自慢する優秀録音のためではありません(別に悪い録音のマニアではないが。。。)。オーディオ自体その時代の記憶を再生するための装置ということが言えます。「闘志を燃やすジャンル」はオーディオという枠には到底収まらない音源へのアプローチを集めたものです。以下、概略ながら追ってみました。そのうち歌謡曲は異常に増殖したため夜をまたぐことになりました。。。。の前に断って置きたいのは 1)自称「音源マニア」である(ソース保有数はモノラル:ステレオ=1:1です) 2)業務用機材に目がない(自主録音も多少やらかします) 3)メインのスピーカーはシングルコーンが基本で4台を使い分けてます 4)なぜかJBL+AltecのPA用スピーカーをモノラルで組んで悦には入ってます。 5)映画、アニメも大好きである(70年代のテレビまんがに闘志を燃やしてます) という特異な面を持ってますので、その辺は割り引いて閲覧してください。 |
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【70年代歌謡曲】(その一) 文化的背景 歌は世に連れ世は歌に連れと云われますが、世代によって歌謡曲の印象は異なるようです。1968年生まれの私は典型的なテレビ世代で、ヤング・オー・オーやスター誕生など見守っていたものです。後から振り返ってこの時代の歌謡曲を覗き込んでみると、子供時分で知ってた範囲は表向きの世界で、アングラ的な要素(今ならインディーズと呼ぶ)は意外に世の中に溢れていたという感じがします。フォークからアイドル路線に流れる途上に現われた、不思議な素人臭さが漂う60年代後半から70年代前半の歌謡曲(フォーク、ロック、アイドル、ニュー・ミュージック)は、当時のキーワードである「風」「失恋」「潮騒」「学生時代」など、どれをとってみても実に掴み所のない世界のひとつでした。しかしその公私入り乱れた混沌とした感覚も面白いともいえるのです。
ボーカル再生に必要な要件
しかし。。。話はそれほど単純ではない。 ☆観測点その1)星空からのメッセージ? この頃のボーカル録音のほとんどはエコーに包まれたボカシ気味のものがほとんど。時は既に月面旅行を夢みるスペースエイジである。誰もが空に向かって大声で歌っていたのか?それともUFOと同じくただのピンボケか?お花畑を背景にボカシをかけたジャケ絵を見たら要チェックである。 ☆観測点その2)学生の頃の秘密? 当時は学生運動に失望した若者が社会に出た時期である。一方でGSサウンドが衰退しフォーク路線に移っていくなかで、業界関係者(プロデューサー以外にスタジオ・ミュージシャンも含めて)も新しい飯のタネに飢えていた時期でもある。その反り合うはずのないふたつの個性が手を組んだとき、「学生時代」という言葉はなぜか哀愁をこめた暗号に変わる。今になって学生の頃に何があったかは誰も言葉に尽くせない。。。しかし、その言葉が一言出れば全てがセピア色のピンナップに変わる。失恋して風にまかせて生きるのも、どこかこの空気に近い感じがある。つまりこのツブヤキを聞き取れなければ70年代の歌謡曲は塵に伏してしまうのである。 ☆観測点その3)生バンドと生出演で生々しく? この時代は誰もが歌番をビデオ・クリップでごまかすことはなかった。生バンドの演奏を背景に生出演して芸を競う。これが歌手たるものの本望である。ということで、この時代はスタジオ・ミュージシャンの洗練された技も聞き所である。どんなにヘタなアイドル歌手にも華麗なるストリングスで飾り、立派なドラマーとベーシストでリズムが支えられてる。今この手のバンドマンは相当の実力派シンガーでないと付けてもらえない。ある意味すごく贅沢な時代である。 さて。。。攻略法を考えてみましょう。 ■攻略法その1)ガレージメーカーのおじさんに訊け 1990年代以降、日本でガレージメーカーにスピンアウトした設計者には団塊世代の人が多いようです。実際には仕上げがイマイチとかあるのですが、かつてオーディオ・バブルからデジタル移行期を経験し、その荒波にもまれながらスピンアウトして現状のマーケティングへの批判の根底にあるのが、かつて70年代に最盛期を迎えた古いアナログ技術です。そういう人々が造る音に共通しているのは、刺激のないなめらかな質感をもったベルベットのような音です。その記憶を頼りに手作りで調整しているのかもしれません。 ■攻略法その2)アニヲタに訊け 今のアニソン業界はかつてのアイドル業界と非常によく似ているそうです。それで声の質感とか抜けの良さとかに懸命に挑んでいるのがアニメ・オタクの方々。逆にいえば70年代の成りきり歌手はリアル・コスプレの人たちで、子供の私などはサンダーバードやウルトラマンと一緒の人形ロボットと思ってたくらいで。。。ともかく狙い目は一緒のようです。ケーブルやCDプレイヤーの話題などはひとつ傾聴してみてください。 ■攻略法その3)スペースエイジのデザインに酔え ボーカルが宇宙を漂う時代です。オーディオ機器も宇宙感覚でなければなりません。ビクターのボール型スピーカー、最近では富士通テンのものが時代感覚の濃いアイテムです。これにはとくに大意はありません。 あまり参考にもならなそうなので次に進むことにしましょう。 ページ最初へ |